−(え)−

EPA(エイコサペンタエン酸) −以下の文章は特定の製品や商品とは関係なくかかれています。−
「高血圧と動脈硬化」
 高血圧と
動脈硬化は、食事の洋風化とともに増加し続けてきました。
最近の日本人の死亡原因のベスト3は「ガン、心臓病、脳卒中」で、
ガンを除いた二つは動脈硬化と高血圧が大きな要因となっている病気です。
そのため、これらを予防・治療することが、健康の維持増進に大きな比重を占める事になります。
ガンの場合、様々な原因が考えられ、予防法と言っても特定出来ないでしょう。
しかし、後の二つについては、動脈硬化や高血圧が大きな要因となる事から、
その予防法も絞る事が出来ると考えられます。

最近は、動物性食品の摂りすぎに注意して、
植物性食品を多くすべきだと盛んに指摘されています。
この二つは相対するものだけに、理解されやすかったようで、
広く浸透していると言えます。
その反面、島国日本の重要な食料源であった魚は動物性食品と同一視され、
軽視されがちでした。
しかし、最近になって魚油にはビタミンEなどが多く含まれるものもあり、
植物油以上に高血圧、動脈硬化を予防する効果が高いということを
世界各国の研究者が相次いで発表し、魚の効用が注目されてきています。

「エスキモーの食生活とEPA」
 研究のきっかけとなったのは、魚やアザラシを主食とするエスキモー人に関する調査です。
デンマーク・オールボア病院の「ダイアベルグ博士」がエスキモー人の疫学的調査を行った所、
肉食中心のデンマーク人に比べて、エスキモー人には動脈硬化脳梗塞心筋梗塞などの
成人病が大幅に少ないという結果が出ています。
例えば、デンマーク人の死亡原因が心筋梗塞だけで40%以上も占めているのに対し、
エスキモー人は発症率が高いはずの六十歳以上だけを対象にしても、
わずか3.6%でしかありませんでした。
その原因がエスキモー人の食生活にあるとして研究した結果、魚肉の油に含まれている
エイコサペンタエン酸(EPA)、ドコサヘキサエン酸(DHA)の有効作用にあると分かったのです。

「EPAとは?」
 エイコサペンタエン酸(EPA)は、主に魚油、
特にサバやイワシなどの青魚に多く含まれる不飽和脂肪酸の一種で、
血栓症を防ぐ作用があるとして注目されている栄養素です。
不飽和脂肪酸には他に良く知られているものとして、リノール酸やオレイン酸があり、
最近では、食用油などに、これらの不飽和脂肪酸が入っている事を売り文句にした
商品が売られています。
不飽和脂肪酸は血液の流動性を高める作用があり、その作用はリノール酸やオレイン酸などの
不飽和脂肪酸よりもEPAの方がはるかに高いことが分かっています。
魚は冷たい海に棲み、血液を固まらせいために、EPAの様な成分で防衛しているとも言え、
それだけに効果も強いわけです。

「動脈硬化の原因」
 抗血栓作用とは、血液(血流)が”血管内にコレステロールが溜まる”などの理由により、
詰まってしまう状態を防ぐ作用ですか、EPAなど、各種の不飽和脂肪酸はその作用に差はありますが、
血液をサラサラにすることで血流を良くし、血栓症を予防します。
また、血栓と言うのはコレステロールばかりが原因で出来るものではありません。
つまり、食事に気をつけて余分なコレステロールを摂らない様にしている人でも、
血栓症になる可能性があると言うことです。
それは、どういう事かと言うと、
血液には血小板という成分があります。
これは、傷などにより出血した際、血を止める働きをするもので、なくてはならない成分です。
しかし、これが逆に血栓の原因となり、動脈硬化などの病気を引き起こすとも考えられています。
(動脈硬化については様々な原因が考えられ、いまだに不明な点が多く、その原因として
現在までに色々な説が提唱されています。例 「脂肪説」、「血栓説」、「傷害反応説」など。)

−血小板の機能を調節している物質−
 血小板は固まって出血を止める作用がありますが、これが強すぎると、
血栓症の原因ともなり得ます。
人体にはこれを調節する機能があり、血小板凝集(血小板を固まらせる)作用を起こす物質と、
それを抑制する物質の二つがあり、この二つがバランスよく機能することにより正常な血流や
血液凝固が保たれていると考えられています。
具体的に説明すると、
人体内では、血小板および血管壁で「トロンボキサンA(以降、TXA)」と、
「プロスタグランディンI(以降、PGI)」という物質がそれぞれ合成されており、
「TXA」の方が血管収縮・血小板凝集を起こし、
「PGI」は、血管弛緩・血小板凝集抑制をしています。
この相反する作用を持った二つの物質がバランス良く機能することにより、
血小板の機能を調節していると考えられています。

「EPAの抗血栓作用」
 上記の血小板の機能調節の説明から考えると、
血小板を固める役目をする「TXA」の産生亢進と、
血小板を固める作用を抑制する役目の「PGI」の産生低下が血栓を起こし、
動脈硬化の原因になると考えられます。

EPAは、「TXA」と「PGI」の前駆体になることが明らかになっており、EPAを摂取することで
体内に「TXA」、「PGI」という物質が生成されます。
「PGI」は、「PGI」と同様に強力な血小板凝集抑制作用を発揮しますが、
「TXA」には、「TXA」のような血小板凝集作用がありません。
つまり、EPAを摂取することで、血小板凝集を抑制する強力な作用を持つ物質が増え、
逆の血小板を固まらせる作用を持つ物は増えない為、血小板凝集作用が弱められ、
これにより、抗血栓作用が発揮されると考えられています。
そして、これらの説明から、EPAなどの不飽和脂肪酸が血液をサラサラにし、
血液の流れを良くするという事が理解出来ると思います。

「EPAを多く含む食品(魚)」
 魚は、リノレン酸(不飽和脂肪酸)などの自らの体内の脂肪酸をEPAに
変換する酵素を持っているとされています。
EPAは、イワシやサバなどの「青魚」と呼ばれる物に多く含まれ、
それらの魚の可食部の1%前後をEPAが占めているとされています。

EPAを多く含む魚
魚名

脂肪酸中のEPA率

キス
タラ
ハタハタ
アナゴ
ブリ
イシダイ
アジ
サンマ
マサバ
マイワシ

10%
13.3%
19%
12.8%
11.3%
9.8%
4.7%
6%
4.1%
8.8%



「EPAに関しての実験報告」
 EPAの抗血栓、抗動脈硬化作用が注目されるに従って、
実際にEPAを人に摂取させて血小板機能や血漿脂質に対する影響を調べた研究が
相次いで報告されるようになりました。
それらの例をあげると次のものがあります。

 ・「ジース」らは、7人の健康な白人にサバ食を一週間摂取させたところ、血漿、血小板膜のEPA含量が増加し、
  血小板凝集能力が低下したと報告。
 ・日本でも「熊谷」らが、千葉県で疫学調査を行い、魚を多食する沿岸部の漁民は、内陸部の住民に比べて、
  血漿中のEPAは約1.7倍と高く、血小板凝集能力は、著しく低下していたと報告。
 ・EPAの血清脂質改善作用について研究していた「ルイター」らによると、
  1日に2〜4gのEPAを摂取したグループに比べ、1日8gのEPAを摂取したグループでは、
  動脈硬化の促進因子とされる血清「VLDL」とトリグリセライドが低下していると報告。

などの研究報告があり、この他にもEPAの摂取により、血小板機能低下、血漿脂質改善を
見たという報告がいくつかなされています。

「EPAの働き」
 EPAの働きとして簡単にまとめました、

 1.血液が固まるのを抑制する。(血小板凝集による血栓の防止)
 2.血液中の悪玉コレステロールを下げる(血管に付着して動脈硬化の原因となる
   コレステロールを、血管から取り除く作用。リノール酸よりも効果が大きい。)
 3.中性脂肪を下げる(これも動脈硬化の原因となり、それを防ぐ作用)

これらの作用をDHA(ドコサヘキサエン酸といい、同じ不飽和脂肪酸の仲間)と比較すると、
(1.)の血液が固まるのを抑制する作用は、EPAの方が高く、
(2.)の血液中の悪玉コレステロールを下げる作用はEPAの方が弱い事が分かっています。
魚油を摂取すると、これらの有効作用は、互いに補い合い、結果的にリノール酸(不飽和脂肪酸)を
上回る効能を発揮します。
とくに、動脈硬化、高血圧、血栓症などの予防効果は、他の健康食品にない画期的な物があります。