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鉄 −以下の文章は特定の製品や商品とは関係なくかかれています。−
「鉄の化学的紹介」
鉄族元素の一。
地球上でアルミニウムに次いで多く、赤鉄鋼・磁鉄鋼・褐鉄鋼・砂鉄などとして産出。
純鉄は銀白色で光沢があり、延性・展性・に富み、強磁性を持つ。
空気中では錆びやすい。
少量の炭素その他を含む鋳鉄や鋼鉄にして利用。
植物では微量栄養素の一つで、クロロフィルの合成などに必要。
動物ではヘモグロビン・チトクロム・ミオグロビンなどの成分として重要。
元素記号Fe、原子番号26、原子量55.85。
「鉄の栄養素としての歴史」
鉄のことを英語で「アイアン」(iron)といいますが。
これはラテン語の鉱石「アエス」から出た言葉だそうです。
鉄が人間の健康に役立つ物質であることが知られたのは古く、
古代ギリシャの時代からだといわれています。
しかし、鉄が貧血の治療に有効であることがわかったのは、17世紀のことです。
1747年、メンギニという人が、血液の中に鉄が存在することを証明しました。
また、1838年スウエーデンの化学者ベルツエリウスは、
血液中の赤い色素が酸素と結合することを解明し、
組織の呼吸にこの鉄含有色素(ヘム)が関係していることを明らかにして
その重要な役割が明確になりました。
鉄は地球上に豊富に存在しています。
そしてその作用も今日ではよく分かっています。
ところが、鉄は安価な金属であるにもかかわらず、
現在でもこの地球上に鉄欠乏で悩んでいる人がたくさん存在するのです。
鉄の歴史的背景を詳しく説明すると、
「鉄の栄養の研究に対して科学的な方法が適用されたのは、
おそらく18世紀初頭であり、鉄が血液の主成分であることが示されたことに始まります。
例えば、Menghiniは、乾燥後粉末にした血液のなかには磁石によって吸いつけられる
粒子があるという簡単な実験によって関心をひいた。
1832年にBlaudの"血液中の有色成分が減少した"若い女性の治療に鉄剤が有効でるという報告をし、
それ以来、鉄剤の治療目的の利用が普及した。
約50年後、Basleの内科の教授であり、
初めて体内や食事中の鉄の含有量を測定した研究者の一人であったBungeは、
当時世界中で使用されていたBlaudの錠剤を嘲笑した。
彼は、糞中に鉄が現れるのは、鉄が吸収できなかったからであると解明し、
彼の同時代の多くの研究者と同様に、
いかなる無機能の鉄もヘモグロビンの前駆体にはならないと信じていた。
世紀の変わり目前には、そのような生気論者(vitalist)の見解は攻撃されることとなったが、
その見解は存在し続け、1920年代にはWhippleと共同研究者が、
血液の再生を亢進する効果は、炭酸第一鉄よりも調理した肝臓のほうが大きいという報告をし、
生気論者の見解は勢いを得た。
1932年にCastleと共同研究者は、無機鉄がヘモグロビン合成に利用されるという確証を提出した。
Castleらは、低色素性貧血の患者に経静脈的に投与した鉄の量が、
循環ヘモグロビンの増加量によく対応していることを見いだした。
食事中の無機鉄が、よく吸収されるためには、
腸管内で可溶性の形態になっていなければならないが、
この事実は、去る数十年間に放射性同位元素を用いた吸収実験によって完全に立証された。
1892年、Bungeによって乳児が鉄欠乏に対して特に弱いことが記載された。
Bungeは、母乳は特に貧弱な鉄の供給源であり、過剰に母乳を摂取した場合、
授乳期末期に新生児機に持っていた鉄の貯蔵が枯渇し、鉄欠乏を招くことを見い出した。
Mackayは、ロンドン東部地区の乳児には鉄欠乏性貧血の有病率が高いことを最初に示した人の1人であり、
1892年に、鉄強化粉ミルクを与えることにより貧血が緩和できることを示した。
殻物製品の鉄強化が世界中に普及したのは、第2次世界大戦以後であった。」
「血液の主成分”鉄”」
鉄が赤血球の主要成分として、
生命活動に必要な酸素を肺胞から取り込んで全身の細胞に送り、
そこで生じた炭酸ガスを肺へと運搬するガス交換の主役であることはよく知られている事です。
人体内の鉄は体重1kg当たり70mgくらいの割合で含まれていますが、
肝臓や脾臓に蓄えられた以外の60%ちかくは、
血液中の赤血球の主成分であるヘモグロビン(血色素)に存在してガス交換機能を果たしています。
しかも赤血球の寿命は120日程度なので、
減っていくヘモグロビンの濃度を保つために、
毎日一定量を補給しなくてはなりません。
また、汗や尿によっても一日1mg程度が排泄されます。
女性の場合はさらに月経によって、一日0・5〜1mgを消費するため、
一層不足しやすい傾向にあり、
鉄欠乏性貧血による代謝異常を招き、疲れやすくなり、
すぐに動悸したり、耳鳴りや浮腫を招く事にもつながりがちです。
「鉄の貯蔵庫”骨髄”」
骨髄は鉄の貯蔵庫でもあり、
フェリチン、ヘモジデリンという名の鉄がタンパク質などと結合した形で貯蔵されています。
鉄が不足してくるとフェリチンやヘモジデリンの鉄が使われます。
この貯蔵鉄は人体内の鉄の20%〜30%くらいを占めています。
人体内の鉄の分布を簡単に説明すると下の表の様になります。
|
形態 |
鉄蛋白質 |
成人男子(70kg) |
成人女子(50kg) |
|
機能鉄 貯蔵鉄 総計 |
ヘモグロビン ミオグロビン ヘム酵素 非ヘム酵素 トランスフェリン鉄 フェリチン ヘモジデリン |
2300 320 80 100 3 2800 700 300 1000 3800 |
1700 220 50 60 3 2030 200 70 270 2300 |
|
食品名 |
含有量 |
食品名 |
含有量 |
|
乾燥水前寺のり ひじき 番茶 番茶浸出液 あおのり こしょう たにし にぼし ココア ごま 大豆 はまぐり |
300 55 38 0.1 32 20 19.4 18 14 9.6 9.4 5.1 |
黒砂糖 上白砂糖 塩こんぷ ほうれんそう 牛肉 豚肉 玄米 精白米 白米ごはん 鯛 はくさい 牛乳 |
4.7 0.1 4.2 3.7 2.0 1.3 1.1 0.5 0.1 0.5 0.4 0.1 |
「鉄の欠乏症」
鉄は非常に経済的に体内で利用されています。
つまり、リサイクルされており、老化した赤血球からは鉄が遊離し、
他の成分は分解されて排泄されますが、
鉄だけはほぼ完全に再利用されます。
したがって、鉄欠乏症が発生するのはかなり長期間にわたって鉄欠乏食を食べるか、
何かの理由で鉄の必要量が増加した時に限ります。
最も一般的な欠乏症は、鉄欠乏性貧血です。
この病気は赤血球中のヘモグロビン量が低下し、赤血球自体も小さくなります。
これにより、血液中の酸素を輸送する能力が低下しますから、皮膚は青くなり、
疲労しやすくなって、食欲不振や運動時の動悸、息切れ、無力感などが症状として起こります。
このほかに、粘膜異常が起こり、口角炎や舌炎などになったり、
異食症と言って、土や灰、チョークなどを強迫的に食べる異常行動をとったりします。
「鉄の効力」
カドミウムは毒性の強い金属で、中毒症状の一つに貧血があります。
これは、カドミウムの中毒により、鉄の吸収が阻害されることで起こると考えられており、
カドミウム中毒に鉄を与える事で、症状が改善されたと言う報告があります。
同じ様な関係が鉄と鉛の間にもあると言われています。
また、白血病の原因物質と考えられているベンゼンの中毒症状が鉄欠乏によって
悪化することが報告されていますし、
発ガン物質ジメチルヒドラジンを鉄欠乏動物に与えると、肝臓ガンの発生が増加したとの報告もあります。
これらの事から、鉄は発ガンに対して抑制作用があると推測できますが、
結論を出すには、まだまだ研究が必要です。